料理と水の関係

水と料理の関わりは深く、水の良し悪しでその料理は決まるほどです。
そもそも郷土料理とは、その土地に行かなければ、その美味しさが味わえないものなのです。 これは、その土地の水で育ったものを食材とし、その土地の水で料理されるからです。

水に含まれるミネラル成分で産物が出来上がっていることが一つの鍵になっています。 そして、その郷土ならではの料理方法によって積み上げられた食文化が出来上がっているからです。

ところで、緑茶は、日本の軟水の地域で生まれ、紅茶は、欧州の硬水の地域で生まれました。 緑茶と紅茶の違いは、葉を発酵させているのが紅茶ですが、緑茶は軟水ではまろやかですが、 硬水では、渋みが出てきます。紅茶は、軟水では香りが薄く、硬水ではその紅茶の香りがよく出ます。 やはりこれもミネラルバランスが重要な鍵を握っています。

 
 一般的に硬水は西洋料理、軟水は日本料理に適しています。
なぜなら、肉、魚、野菜などが柔らかく煮上がるのは軟水で、硬水に多く含まれるカルシウムやマグネシウムには、タンパク質や植物を硬くする作用があるからです。

一方、アクの強い洋風野菜を煮込む時は、水のミネラルとアクが結びついてアクがとれるため、中硬水が向いています。

日本人である私たちの伝統食は、なんといっても和食です。
炊飯、味噌汁、日本茶など毎日の献立には軟水が欠かせません。