妊産婦と水 Vol.1

胎児は"母なる海で育つ"

人間は新たな生命を授かると、十月十日の間、お母さんの羊水の中で大切に育まれていきます。胎児の命のゆりかごとも言える羊水、それは一体どういったものなのでしょうか?

妊娠初期の羊水はお母さんの血漿(血液の液体成分)から作られています。そしてその成分は、実に不思議なことに海の成分ととてもよく似ているのです。あらゆる生命は海から生まれたと言われますが、ある意味では、陸に上がった今でも人間は海から生まれていると言えるでしょう。お母さんの作り出す羊水という海で、胎児は育っていきます。

《妊娠初期の羊水はお母さんが作り出したものですが、後期になると胎児自身が分泌液を産出して羊水を作り出します。》